各種レーザー治療
当院においては後発白内障に対するYAGレーザー治療、網膜裂孔や網膜剥離に対する網膜光凝固、緑内障レーザーである選択的線維柱帯形成術、毛様体レーザーを行っております。
① 後発白内障に対するYAGレーザー治療
白内障手術後、時間が経つと眼内レンズを支える後嚢(こうのう)が濁ることがあり、これを後発白内障といいます。視界がかすんだり、まぶしく感じたりする場合、YAG(ヤグ)レーザー治療が有効です。
この治療は、特殊なレーザーを使って濁った後嚢に小さな穴を開け、視力を改善させるものです。手術は痛みを伴わず、数分程度で終わります。点眼麻酔を使用するため、注射は不要です。
費用は健康保険適用で3割負担の場合、約6,000円~8,000円です(施設によって異なります)。また、治療後は通常すぐに日常生活に戻ることができます。
合併症として、一時的な飛蚊症、まれに眼圧上昇、炎症が起こることがあります
治療後1週間程度で再度来院していただく必要があります。
② 網膜光凝固術
網膜光凝固術は、レーザーを使って網膜の異常な血管や破れた部分の周辺を焼き固める治療です。
また、酸素不足になっている網膜にレーザーを照射し、出血を予防するために治療することもあります。適応となる病気には、糖尿病網膜症、網膜裂孔、網膜静脈閉塞症、中心性漿液性網脈絡膜症などがあります。
治療は外来で行われ、専用の接触レンズを眼に装着し行います。点眼麻酔を使用するため痛みはすくないですが、照射部位によっては痛みを感じる場合があります。レーザーを照射する時間は5~20分程度で、糖尿病網膜症の治療の場合、片眼ずつ行うのが一般的です。
費用は健康保険適用で3割負担の場合、約35000円~45,000円となります(病気により異なります)。
術後の合併症として、一時的な視界のぼやけや飛蚊症(黒い点が見える症状)が現れることがあります。また、まれに視野の欠損や黄斑浮腫、夜間視力の低下が起こることもあります。
治療後は、生活制限はありません。網膜裂孔の場合は激しい運動などはしないようにしましょう。
レーザー施行後1週間程度で来院いただく必要がございます。
③ 緑内障に対するレーザー選択的線維柱帯形成術
レーザー選択的線維柱帯形成術(SLT)は、緑内障の治療法の一つで、房水(目の中の水)の排出を促進し、眼圧を下げるために行われます。開放隅角緑内障や高眼圧症の患者さんが適応となります。点眼薬で十分な効果が得られない場合や、副作用が気になる方に適した治療です。
治療は外来で行い、点眼麻酔を使用するため痛みはほとんどありません。レーザーを線維柱帯(房水の排出口)に照射して組織を刺激し、眼圧を下げる働きを改善させます。施行時間は5~10分程度で、日帰りで受けられます。
費用は健康保険適用で3割負担の場合、約20,000円~30,000円です。
術後の合併症として、一時的に眼圧が上昇することや軽い炎症、違和感が起こることがありますが、多くは数日で改善します。
処方された点眼薬を次回外来まで指示通り使用してください。
④ 毛様体レーザー治療(CycloG6)
Cyclo G6は、緑内障の治療法の一つで、目の中の房水(眼圧を調整する液体)の産生を抑え、眼圧を下げるために行われる毛様体レーザー治療です。点眼薬や手術では十分に眼圧が下がらない場合や、手術の負担を避けたい方に適しています。
治療は外来で行われ、点眼麻酔および球後麻酔を使用します。レーザーを毛様体(房水を作る組織)に照射し、房水の産生を調整します。施行時間は約5〜10分で、日帰りで受けられます。
術後の生活については、当日は安静にし、激しい運動や目をこすることを避けましょう。通常の生活には翌日から戻ることができます。眼圧が安定するまで定期的な診察が必要です。一時的な眼圧の変動、炎症、痛みが出ることがありますが、多くは点眼薬でコントロールできます。
費用は健康保険適用で3割負担の場合、約30,000円~40,000円です。
レーザー治療Q&A
レーザー治療の後は生活制限はありますか?
どのレーザーにおいても術後の生活制限はありません。後発白内障や緑内障レーザー治療の場合は術後に炎症を抑制する点眼を処方しますので、次回外来の日まで点眼を行っていただきます。
レーザー治療後は運転できますか?
瞳を広げる(散瞳)をおこなった後にレーザー治療を行いますので、後発白内障および網膜のレーザー治療に関しては治療後4時間ほど運転できなくなります。
レーザー治療は痛みはありますか?
専用のレーザー用レンズを眼の表面につけますので、違和感を感じる場合がございます。点眼麻酔を行いますので痛みはほとんど感じないことが多いです。網膜レーザーの場合はレーザーを打つ場所によっては重い痛みを感じることがあります。その場合は医師におっしゃってください。
